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天と地の守り人 全3巻(上橋菜穂子)



炎がゆらめき、薪の割れ目があかくかがやくのをみながら、チャグムはつぶやいた。
「……おれを、カンバルへつれていってくれる?」
バルサも炎をみながら、ほほえんだ。
「ああ。つれていってやるよ、わたしの故郷へ……ワシが骨を落とす音がひびく、あの貧しいけれど、うつくしい谷間へ、あんたをつれていってあげるよ」


バルサとチャグムは、再会できるのか?
大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい──密かな依頼を受けバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。
刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。
そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。
懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか……。
壮大な大河物語の最終章三部作、いよいよ開幕!



『精霊の守り人』シリーズ、本編はこれで完結。
しかも最後は三部作!
最初は一作ごとに読んで感想を書いてから次へ…とか思っていましたが、無理でした(笑)
だって一作目のロタ王国編の最後で、とうとうチャグムとバルサが出逢うんだものー!
そうしたらその後がどうなるのか気になって気になって。
新ヨゴ皇国では葬儀もあげられ、死人となってしまったチャグムが同盟を結び、タルシュ帝国から北の大地を守ることができるのか。

それと同時に気になったのがタンダ。
兄が訪問してきたことから良い予感はしなかったものの、なんと草兵となることに!
もちろんタルシュとの戦のための…です。
新ヨゴの側としては他にシュガの目線がありますので、この草兵というのがただの足止めに過ぎぬこと、言ってしまえば捨て駒であることがはっきり描かれています。
もうそんなこと知ってしまったら…タンダが心配で心配で。
ですが、そもそも薬草師で呪術師のタンダは村人にあらず。それは『夢の守り人』だったかな…過去に触れてあったはず。
つまり、村人扱いされていないタンダは、兵役の義務はないはず。
兄の訪問後のやり取りは明かされていませんが、その相談(というか要求)だったのは、その後タンダが戦地に赴いていることからはっきりしています。
もう私はそこで猛烈に腹が立って!
どうも兄弟の末の弟が草兵に選ばれてしまったようですが、弟は結婚したばかりで子どもも生まれたばかりだとか…。
うん、子どもを盾にとるのは卑怯だなーーーって、申し訳ないけれど思ってしまいます。
だって普段はタンダと距離をとっているのに、こういう都合の悪いことだけ押し付けるって…ねえ。
義務と権利は本来セットなんです。
また、タンダが人が好いから断られる可能性が低いのも見積もっていそうで…。穿ちすぎかな(笑)
片腕を失ったとはいえ、殲滅状態から無事生き残れたのだもの。
これからはバルサと幸せにならなくちゃ!
理不尽な要求はきっぱり断ることも必要です。バルサのためにも。
バルサに断らせるような真似だけはしちゃダメですよー。
って、何の心配しているんだろう(笑)

北の国々の同盟で心配だったのが、バルサの故郷カンバルの王。
優柔不断な王で、なかなか自分で決断できない姿がこれまでにも見られました。
今回もまた、そういう姿勢にイライラさせられるんじゃないかな…と思っていたらやっぱり。
その他カンバルといったら、チャグムがロタの領主の家で垣間見た商人に化けた側近。
思わせぶりな書き方に、絶対過去に出てきたことあるキャラだろうなーと思っていました。
側近の助言や身内へのコンプレックス、一度決めたことを翻すことへの躊躇からなかなか決断できない王。
その王の意思を変えるべく、神の子と自国では呼ばれる皇子が膝を折るっていうのは、チャグムにとってかなりの決断です。
一度宮を離れバルサと旅をしたことは、チャグムにとって大きな意識改革だったとは思いますが、生まれながらしみ込んだ感覚はなかなか…ね。
もちろんそれにはチャグム個人の自意識だけではなく、国の威信も関わることなので、そうしょっちゅう行えることではないのでしょうけど。
でも大切なのは、ここぞという時の使いどころ。
それを正しく判断できるというのは優れた王の要件でしょうね。
無事同盟をまとめたチャグム、お見事でした!

とはいえ、新ヨゴ皇国の帝は民にとって神にも等しい存在。
それが他国と手を取り同盟を結ぶなんてあってはならないこと…らしい。
カンバル王とは違った意味で面倒だなあ…と思ってしまいます。
とはいえ生まれた時からそのように躾られ、育ってきた以上、植えつけられた考え方や価値観、仕方ないものなのかなあ。。。
自分の命が尽きると分かっていても、その方法しか選べない。
チャグムの父は本当に「帝」として人生を全うしたんですね。
今後、チャグムが行う国造りは前例のないものだらけになりそうですねw
その様子、ちょっとでいいから見てみたかったなあ。

無事チャグムの護衛を終え、タンダと再会して家へ戻ったバルサ。
これまでは平和な日常になかなか馴染めず、用心棒稼業へと戻ってしまう様子が描かれていました。
しかし今作で、宿屋の主が
「時期ってのは、あるのよ。腰をおちつける時期ってのがな」
と。
これを読んだ時、バルサにもそんな時期がきっと来るんだろうな、と思いました。
もしかしたら今回の戦で、タンダと別れ別れになったことが、今後のきっかけになるかも…?
終章でまた護衛をしたという記述がありますが、命をかけるような死闘を繰り広げるようなものではなく、ごくごく穏やかな雰囲気が漂っています。
今後はこうした仕事で細々とやっていくのでしょうか。
バルサとタンダが穏やかに幸せに暮らしていける日々を願わずにはいられません。
チャグムはやっぱり、穏やかに…とはいかないでしょうけれど(苦笑)

これ以降は、番外編があと2冊出版されているようです。
が、あらすじを読む限り過去編でしょうか。
正直気になるのは、本編より後のことなのですが。。。
バルサとタンダの間に子どもはできるのか。
チャグムはどんな帝になり、どんなお妃を娶るのか。
アスラとチキサの今後、シュガは聖導師になったのか…などなど。
とはいえ、過去編だってもちろん読むつもりです。
が、ここしばらく一気読み状態だったので、少し間隔を空けてからにしようかな…と。
ひとまず、10年にも渡って続けられた壮大な本編はこれで読了!
続きを楽しみにしながら待つ…というのも楽しいですが、やはり完結してからのタイミングで読めたのは個人的に良かったなと思います。
このシリーズに出会えてよかったと心から思います。


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