FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モップの魔女は呪文を知ってる(近藤 史恵)



「でも、わたし、どんなことでも理由があると思っているんです」

深夜の病棟に現れた“魔女”の正体を新人看護師が追うと――?
清掃作業員・キリコが日常の謎をクリーンにするシリーズ第3弾。
小児病棟に入院している子どもたちのあいだで「病棟に魔女がいる」との噂が立ち、新人看護師・さやかがその正体をつきとめようと奔走するが……。
深夜のオフィスで、スポーツクラブで、猫のブリーダー宅で、キリコが謎をあざやかに解決!



個人的大絶賛キリコちゃんシリーズ再読中です。
やっぱりこのシリーズ好きなんですよね~。

この本でもキリコちゃんは相変わらずあちこちに派遣されてはお掃除をしています。
今回はスポーツジム、病院、そしてオフィスが2件。
その中でも病院が舞台のお話は、他のお話よりも長く、中編と言ってもいいボリューム。
小児病棟に「魔女が出る」といった噂に振り回される新米看護師のお話です。
そこに別の入院患者の母親がミュンヒハウゼン症候群では…という疑惑が持ち上がる。
病院という場所は命に係わる場所、そしてその中でも小児病棟という賑やかさ。
更には問題言動が見える患者の家族…と大賑わいです。
確かにこれは中編じゃないと描ききれないくらいの大騒動。
そしてそれにキリコちゃんが関わってくるわけなのですが…実は今回、キリコちゃんは清掃員として関わるわけではないのです!
ちゃんと清掃はしています。
でも、派遣会社との契約している時間外のこと。
ある意味、無許可でのことでした。
その時の黒いロリータ風ファッションとモップ(笑)が影響して、「魔女」と呼ばれていたようです。
何故キリコちゃんが契約時間外である深夜に掃除をしていたのか。
それは、おばあちゃんに関係していたのでした。
正確には夫・大介のおばあちゃん。
前作『モップの精は深夜に現れる』で登場しましたね。
ちょっと気難しそうな人でしたが、キリコちゃんとはウマが合ったのか、関係良好に見えました(私なら多分無理だな…)。
そのおばあちゃん、お亡くなりになったんですね…。
キリコちゃんはそれを受け入れられないようで…。
なんといっても、一番傍にいて介護していたのはキリコちゃん。
その介護の合い間を縫って仕事復帰していたのですが、間の悪いことにキリコちゃんが眠っている時に意識を失い、そのまま帰らぬ人となってしまったのだとか。
それを自分のせいだと責め、受け入れられないキリコちゃん。
もちろん、周りの誰もキリコちゃんを責めたりしません(正直、あのおばさんだけはどうなんだろうと疑っているのですが)。
でもキリコちゃん本人が一番自分を責めている。
それを分かっているから大介も、キリコちゃんの好きなようにさせているのでしょうね。
介護というのはとても大変。
24時間ずっと付き添いっぱなしなんて困難です。
そんなことをしたら、付き添いの人の方が先に倒れてしまう。
人は誰しも、いつ何時何が起こるか分からない身です。
それを理不尽と感じることもあるかもしれないけれど、飲み込まなくてはいけない事…なんだろうなあ…。

代理によるミュンヒハウゼン症候群。
世の中には、そんなものもあるのか…と空恐ろしく感じました。
自分自身ではなく、他人を病気だと偽ること。
それは確かに、互いの立場によっては虐待にもなりえる…。
でも、キリコちゃんたちが出逢った真実は、もっと恐ろしい悪意でした。
こんなの卑怯すぎる。
自分がもしこんなことされたら、と思うとゾッとします。
この母娘は、キリコちゃんがいて良かったな。
キリコちゃんはおばあちゃんを救えなかったかもしれないけれど、1人の女の子の人生を良い方に変えることが出来たのではないかな。

その他のお話には、血統書つきの猫が入れ替えられてしまうお話など。
これにはキリコちゃんが清掃のお仕事の先輩として登場します。
普段はキリコちゃん単独なので、先輩として接する彼女の姿を見られるという珍しいケース。
このお話は『ペットのアンソロジー』という本の中心となられた近藤史恵さんらしい、動物への愛に溢れた問題提議作です。
私は動物はどちらかといえば苦手な方なのであまり知識もないのですが、繁殖にはルールがある、という自然界の掟には納得です。
「動物を飼うって、うれしいことや楽しいことばかりじゃないよね。悲しいこと、つらいことだっていくつも引き受けなくちゃ」
というのが真理なんでしょうね。
それを思うからこそ、なかなか動物を飼うことが出来ずにいるわけなのですが(苦笑)
ペットを飼って、そして自分の生活も出来ている世の中の方々ってすごい。。。

前作の感想で、
「やっぱりこのシリーズでは、誰よりもキリコちゃんが笑顔になれるシリーズであることが望ましい」
と書いたのですが、今回はなんだかキリコちゃんの涙がより印象的です。
それも、嬉しいのではなく悲しい方の涙。
今回は近藤さん曰く「どしゃぶりの日」。
人生にはそんな時もある。
そんな時、キリコちゃん同様、人の泥んこ足跡をそっと拭えるような人に私もなりたいなあと思ってしまう。
…そういえば、今回大介の出番がなかったな。
まあ次の本では丸々一冊分出番があるので、今回は待機ってことだったのかな?
次の本も早々に再読予定です!


スポンサーサイト
     

コメント

Secre

     
プロフィール

sui

Author:sui
いらっしゃいませ。こちらのブログは管理人のマメでない性格ゆえ、更新はゆっくりめです。
感想は多分にネタバレを含みますので、未読の作品に関してはご注意ください。
思い出した時にでもお立ち寄りくだされば嬉しいです。


コメントやトラックバックなども大変嬉しく、歓迎です。
が、こちらの判断により、削除してしまう場合もあります(例:初めましての間柄でトラックバックのみを行うなど)ので、ご了承ください。

日記、始めました。
『のんびりたまに雑記。』リンクから行けます。
今読んでいる本などちょこちょこ書いていく予定です。
また、web拍手でいただいたコメントも、こちらの方でお返事させていただきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

FC2カウンター
カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
RSSリンクの表示
ユーザータグ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2拍手ランキング
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。