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流れ行く者 守り人短編集(上橋菜穂子)



王の陰謀に巻き込まれ父を殺された少女バルサ。
親友の娘である彼女を託され、用心棒に身をやつした男ジグロ。
故郷を捨て追っ手から逃れ、流れ行くふたりは、定まった日常の中では生きられぬ様々な境遇の人々と出会う。
幼いタンダとの明るい日々、賭事師の老女との出会い、そして、初めて己の命を短槍に託す死闘の一瞬──孤独と哀切と温もりに彩られた、バルサ十代の日々を描く短編集。



「守り人」シリーズ本編を読んでから早ひと月。
番外編ともいえるべき短編集に着手しました。
ああ、これを読んでしまったから、あとは残り1冊か~。

ただどうも、あらすじを見るに短編集は過去編だ、という気がしまして。
私は過ぎてしまった過去よりも、これから彼らはどう生きていくのか、という未来の方が気になる性質なのです。
未来編だったら、間をひと月も空けなかったかもしれません(笑)
まあ、そうは言いながらもとても楽しく読んだんですけどね、今回のお話w

10代のバルサと、タンダやジグロ、そして旅先で出会った人々とのあれこれ。
当たり前のことですが、まあバルサが若い(笑)
そして青い。
30代の様々な経験を重ねて落ち着いたバルサしか知らないので、どうも座りが悪いというか。
バルサ、そうじゃないでしょ! と何度も思いました(笑)

そんな中の癒しはやっぱり幼いタンダですw
「守り人」シリーズでもバルサに対する好意は充分でしたが、子ども時代はそれとは違うあけっぴろげ。
素直でとっても可愛いです。
でも、普通の村人生活には本人はどうも馴染まず、トロガイのような呪術師に強く魅かれているんですね。
とはいえ全くはぐれ者だった訳でもないし、身近にトロガイのように指導を仰げる相手がいたわけですし、タンダは運が良かったんだろうな。
後々は呪術師として人助けだったする訳ですし、彼は「浮き籾」ではない。
それは後々、はっきりすることです。

この話の中で一番印象に残っているのが、「ラフラ」。
ジグロと共に用心棒をするある酒場に滞在するバルサ。
そこで出会ったアズノという賭事師の老女と出会います。
彼女が長年戦っているススットがある。
その期間なんと50年。
50年ずっと戦いをマメにしていたわけではなく、相手の健康状態などによる小休止も挟みながら続いているのです。
が、バルサの目の前で、その戦いは収束します。
アズノの幕引きの仕方、私には何となく分かるような気がしました。
50年続いた、ターカヌとの勝負。
それは、ラフラとして生きるしかなかったアズノにとっては、金を賭けぬ、“アズノ”としての勝負でもあり。
また公開せず密やかに行うことで、普段は歴然とある身分の差を意識せず1対1の純粋な勝負でもあったのではないか。
あとは孫とはいえ、他人を代理で出すっていうことも、もう勝負そのものが違ってきますよね。
アズノの勝負の落としどころとしては、確かにこれしかないのかな。
相手に勝たせつつ、ラフラとしてしっかり稼ぐ。
勝負には負けても実があれば、完全な敗者とは見なされませんもんね。
こういうのを、勝負に勝って試合に負けるっていうのかしら。
児童書とは思えぬ、なんともしんみりとした最後でした。
アズノはこの後、町を出たんだろうなあ…。

表題作の「流れ行く者」。
どこかで見たような話運びだと思ったら、なんとドラマ『精霊の守り人』でこの話が放送されていたんですね。
朝ドラ『あさが来た』でふゆ役を演じていた女優さんがやっていたシーンかー。
バルサが初めて人を殺めた、という彼女にとっての分岐点…。
重いなあ…。
それがまた、完全に彼女にとっての悪人ではなく、ひと時とはいえ一緒に旅をしていた人なんだもの。。。
彼女があげた、長い長い悲鳴というのが聞こえてきそうです…。
(そういえば、このお話でジグロが倒れた理由は分からず終いでした。特に理由はなかったのかな?
ただの風邪という感じの体調不良…?)

そしてバルサのそんな体験があったからこそ、最後の「寒のふるまい」に心が温まります。
バルサの帰りを待つタンダの話です。
凄惨な体験をしたバルサ。
彼女の帰りを待っている人がいるという事実に、心が慰められる心地がします。

「短編集」とはいえ、一度読み始めると止まらなくなってしまう引力は相変わらず。
近々、最後のお話『炎路を行く者』も読みたいなあ。
そうしたら次は『獣の奏者』かなあ…とか(笑)
色々読書プランだけは練られるのですけどね。
なかなか思うようには読み進められません。
でも年内には何とか!(笑)


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