スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あきない世傳 金と銀 早瀬篇(髙田 郁)



「笑う、ってええもんだすなぁ。こない不自由な身体になっても、笑いは私を見限りはせえへん。ありがたいことや」

学者の娘として生まれ、今は大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する主人公、幸。
十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。
店主は放蕩三昧で、五鈴屋は危機に瀕している。
番頭の治兵衛は幸に逃げ道を教える一方で、「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子だす」と伝える。
果たして、「鍋の底を磨き続ける女衆」として生きるのか、それとも「五鈴屋のご寮さん」となるのか。
あきない戦国時代とも呼べる厳しい時代に、幸はどのような道を選ぶのか。
話題沸騰のシリーズ第2弾!



1巻で衝撃的な終わり方をした『あきない世傳』。
結局幸は、阿保ぼん店主の後添えにされてしまうのか?
心配で心配で、でもこれは幸が商人として成長していく物語。
店主の妻として、影から五鈴屋を支えるというのが無理のないストーリーだよなあ…でもなあ…。
と、悶々と考えておりました(笑)
怖くてネットのネタバレはおろか、あらすじすら読めなかったくらいで、1巻を読み終えて早々に買いに行ったものの、しばらく寝かせてしまいました(笑)
とはいえ続きがやっぱり気になるし…で、ええいっと!

結論。
やっぱり嫁になっていた~~~!
しかもしかも、治兵衛さんの画策で、本人に知らされるのは最後の最後、外堀を完全に埋められてからという周到ぶり。
一応幸に、逃げ道を示してはくれたけど、その道を選んだら幸はこのまま五鈴屋にいられないのでは…? という気もするし。
更には幸を煽るように、「幸は女衆として終わる子ではない」というようなことを言って。
結果的に幸は、自分で後添えになることを選んだ、という風になってはいるけど、このやり方、どうなのかな~~。。。

幸は後添えにはなったけれど、夫となった四代目徳兵衛は、玄人好みの熟れた女好き。
というのは、なんか前作でも伏線っぽくあったような…?
あけすけに言えば、14歳の幸は彼の好みではなく、お手付きとはなりませんでした。
そういう意味では、ちょっとホッ。
なんだか髙田さんの作品でそういうのは読みたくないんです。なんとなく。。。

しかし、やはり奥にいると、女衆の時より四代目のことがよく見える見える…。
もう本当に阿保ぼんは阿保ぼん、というか。
救いようがない…というのは、こういうことを言うのではないかしら。
店主としての役目は果たさないのに、「自分は店主だ」と言ってはばからない。
自分の元妻の持参金の返済についても、自分では工面せず、それどころか放蕩三昧。
読めば読むほど、どん引きエピソードが満載です。
でも…。
私は実は、お家さんことお富久さんにも相当いらいらしながら今回は読んでいたのです。
だって、彼女は唯一、四代目徳兵衛を嗜めることが出来る位置にいる人だったんです。
それだけじゃなく、五鈴屋に関する決定権を持ってもいたのではないかと思います。
結局、四代目が好き勝手出来たのは、最後の最後には彼女が許してきたからではないか…という気がしてなりません。
これが家族の中だけ…というなら、別にいいんです。
けど、彼らが行っていたのは五鈴屋の中。
五鈴屋には数は少ないとはいえ、幸を筆頭に奉公人がいます。
今でいうなら、会社の中で経営一族が好き放題荒らしまくっているわけですよね…。
そんな中、番頭で要石とまでいわれていた治兵衛さんが病に倒れ、退職を余儀なくされます。
五鈴屋は大きな働き手を失うわけですが、これでも阿保ぼんは改心しません。
それどころか、一日のみ行った「店先現銀売り」という店舗販売でまとまって入った銀を、そっくりネコババしようとした始末。
おまけに回収しようとした従業員には「ネコババすんなよ」という捨て台詞つき。
これで更に貴重な働き手を失うわけです。
要は見限られたんですね。
従業員が捨て身で訴えても、お富久さんは四代目を追い出さなかった。
「四代目 >>> 従業員」
という図式がはっきり見えたな…という瞬間でした。
正確には多少、追い出すために動きはしたものの、法的には困難である、という事が分かったと。
でも商家には商家なりの方法があるはず…。
惣次も、
「ええ加減に首を挿げかえたかて、何処からも文句は出ません」
と言っているし、何が何でも無理…ということはないはず。
幸の後添えにも、現銀売りにも、呉服商の寄合の許可が必要でした。
恥を忍んで、寄合に店主の挿げ替えを認めてもらえばいいのでは? という風に思ってしまうのですが。
しかしお富久さんは、三代目に容貌が瓜二つの四代目が
「出来損ないの孫が、やっぱり可愛いんだすなぁ。ほんに、どんならん」
仕様がない、とな。
結局、孫というよりは四代目が個人的に可愛くて、最後の強硬手段がとれない、と。
そういう個人的な感情なんですよね…。
経営者としては、どうなのかなあ…と思うのですが。
改心しない四代目が長くその座に居座れば居座る分、下の者の苦労も続くわけです。
病に倒れた番頭の治兵衛どんの手当も碌に渡せず、それなのに店主の郭代はどこかから出ている。
幸にも
「いつかあれの性根を叩き直しておくれやす」
と、丸投げかい! という発言も…。
自分が甘やかした末の…という自覚があるならば、引導も自分で渡してやればいいのに…と思ってしまう私なのでした。

そうこうしている内に、話が大きく動きます!
章タイトルは「急転直下」。
その名の通り、四代目徳兵衛が、朝帰りの最中、酔って石垣の下に落ちて頭を打ってしまったのです。
そしてそのまま帰らぬ人となってしまいました。。。
まさかの四代目強制退場…。
これには本当に驚きました。
こんなにしょうもない人物に描かれていて、四代目は今後どのように動くのかと思っていたらば。
番頭さんに続き、店主も失ってしまった五鈴屋。
五代目徳兵衛になるのは、商才もあって五鈴屋を支えていた次男の惣次を置いて他におらず。
しかし彼は別の店への婿養子の話がまとまりつつありました。
そんな中、惣次が五鈴屋を継ぐことへの条件を出しました。
それが、「幸を嫁にすること」!!
それも、寄合にも、町内にも正式な五鈴屋のご寮さんとして認めてもらう、と!
まあまあまあ!w

それより先に、惣次と幸のやり取りがいくつかありました。
それで判明したのは、惣次は商いに真剣に取り組んでいる。
だからこそ、商いに真剣でない者が許せないのだということ。
やや職人気質なところがあります。
前作を読んだ時、惣次は商いを学びたい幸の大きな障壁となるのではないか、と思いました。
でも、幸の商いを真剣に学びたいと思っている姿勢は、惣次にとっては言わば同志のように映るのではないか。
もしかしたら、二人は手に手を携えて五鈴屋を盛り立てていけるのではないか。
そんな予感もします。
だとしたら、これが幸が大きく羽ばたける為に必要なことなのか。
それとも惣次はやっぱり幸にとって障壁なのか。
うーん。
しかし夫婦となって、幸が商いの手腕をふるって、惣次と上手くやっていく。
それではお話が終わってしまいますよね。
やっぱりそう易々とはいかないんだろうなあ。
まず、逝去したとはいえ、兄の後添えを今度は弟が娶る…って、ねえ。
聞いたことがない話ではないけど、好奇の目は向きますよね。
どうなるのかなあ。

あ、三男の智蔵さんも、普通に登場はしました。
前作を考えると、彼が幸の旦那さんにぴったりだったと思うのですが、今の流れ的には難しいしなあ。
惣次も早逝してしまう…という展開くらいしかないけど、それはちょっとどうかと思うし。
色々考えられる先の展開。
どれが幸の正道となるのかな。
次も半年で出てくれると嬉しいのですが。
もちろん、もっと早くてもいいです(笑)


スポンサーサイト
     

コメント

Secre

     
プロフィール

sui

Author:sui
いらっしゃいませ。こちらのブログは管理人のマメでない性格ゆえ、更新はゆっくりめです。
感想は多分にネタバレを含みますので、未読の作品に関してはご注意ください。
思い出した時にでもお立ち寄りくだされば嬉しいです。


コメントやトラックバックなども大変嬉しく、歓迎です。
が、こちらの判断により、削除してしまう場合もあります(例:初めましての間柄でトラックバックのみを行うなど)ので、ご了承ください。

日記、始めました。
『のんびりたまに雑記。』リンクから行けます。
今読んでいる本などちょこちょこ書いていく予定です。
また、web拍手でいただいたコメントも、こちらの方でお返事させていただきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

FC2カウンター
カレンダー
04 | 2018/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
RSSリンクの表示
ユーザータグ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2拍手ランキング
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。