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タルト・タタンの夢(近藤 史恵)



商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。
シェフ三舟の料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。
そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。
常連の西田さんが体調を崩したわけは?
フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?
絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!



近藤史恵さんといったら、シリーズものを多数手掛ける作家さん。
全てを読んでいる訳ではありませんが、お気に入りがいくつかあって、感想を書いているプロの清掃人・キリコちゃんシリーズとか、江戸時代の同心・玉島千蔭の猿若町捕物帳シリーズ。
そしてこの、ビストロ・パ・マルのシリーズ。

久しぶりに再読してびっくり。
実にお話の三分の一くらいが料理の説明なのでは? というくらい、料理の描写がびっしり。
普段外食といったらイタリアンやご飯ものにどうしてもいきがちで、フレンチなんて数えるほどしか食べたことがなく馴染みが薄いのですが、描写がとても細やかで美味しそう。。。
鴨好きなので、三舟シェフのつくる鴨のコンフィとか食べてみたいー!
タルト・オ・ショコラも美味しそうw
美味しそうな料理は、読んでいるだけで楽しくなります。

そんな美味しそうなお料理の数々が作り出される舞台が、ビストロ・パ・マル。
テーブル席が5つ、カウンター7席という小さなレストランです。
従業員も少なく、三舟シェフ、スーシェフの志村さん。紅一点・ソムリエールの金子さん。そして語り手であるギャルソンの高築くんの4名。
毎回ゲストが出て来るものの、基本メンバーが少ないので覚えやすいのがいいです(笑)
それと、意外なほど4人の個性が結構ハッキリしているな、と感じます。
というのも、前述の通り舞台はビストロ・パ・マル。
レストランで、お客さんが世間話のように謎を持ちこむというのがこのお話の基本スタイルです。
なので、4人は仕事中。
ほぼその描写なので、プライベートの様子が全く出てきません。
語り手である高築くんのことですら、ほぼ知りえない。
せいぜい20代前半、大学出で彼女がいないらしいということくらいでしょうか。
パ・マルには自転車で通勤しているようですが、家族と暮らしているのか一人暮らしなのかも不明。
最初のお話、表題作の「タルト・タタンの夢」にて、パ・マルで働き始めて2ヶ月という記述があります。
しかし、どういうきっかけや経緯でパ・マルに勤めるようになったのか、そういう事には全く触れられていません。
とはいえ、ギャルソンというフロア全体のお世話係という仕事柄か、彼の目を通して見た他のスタッフは個性豊かに感じられます。
紅一点の金子さんは、20代後半、ワインが好きでOLからソムリエに転職し、パ・マルに勤めるようになった。
そして何より彼女のキャラとして語られるべきは、趣味が俳句ということでしょう。
商店街の俳句同好会にも参加していて、商店街のおじいちゃん達に可愛がられている、パ・マルきっての社交家なのです。
お客の飲み残しのワインをほくほく顔で試飲する姿もイキイキしていますw
いくらソムリエとはいえ、高いワインは自腹でそうそう購入できないので、こういう飲み残しから勉強をする、という理由にはなるほど。
案外スーシェフの志村さんが、一番プライベートが見える人かもしれません。
「ガレット・デ・ロワの秘密」では、彼の奥さんとのなれ初めに近いお話が語られるのです。
志村さんの奥さんは、麻美さんというシャンソン歌手をしている美人。
ソムリエの金子さんにシャトー・マルゴーに例えられています。おお、高そう。
自分のことを積極的に話すタイプではなさそうな志村さんですが、奥さんとその馴れ初めを知ると、それだけでなんだかとても彼の事を知ったような気になります。
そしてパ・マルの名探偵で料理長の三舟シェフ。
フランスでも田舎の地方で料理修行をしてきたという変わり者。
長く伸ばした髪を後ろでひとつに括り、無精ヒゲを生やしたりと、見掛けはおよそ料理人らしからぬ風貌。
しかし、一癖二癖もある常連客の舌を唸らせる料理の腕を持つ人物なのです。
最年長でもありますし(とはいえ、30代半ばのようなのですが)、修業時代も含め、過去の引き出しが一番多そうなのもシェフなんですよね。

キャラのプライベートを殆ど描かずとも、仕事の描写だけでもその人の人柄が分かる。
それって結構すごいことなのでは?
個人的にはすっかり彼らに愛着を持っていますw
毎回料理に絡む謎がお客から寄せられるのですが、私のお気に入りは最後の「割り切れないチョコレート」です。
キーは素数とチョコレート。
私の大好きなものの詰め合わせのようw
そして色んな種類の優しさが詰まったお話で、美味しいチョコを食べた時のような満足感が読後にあります。
パ・マルとの繋がりもできたし、彼の再登場のお話なんかも読んでみたいなあ。

毎回美味しそうなお料理が出て来るのは書きましたが、お料理の他によく登場するのが、三舟シェフ特製のヴァン・ショー。
ホットワインにオレンジの輪切りやシナモンなどを加えた飲み物です。
料理を堪能して、お客が謎を語る時などによく登場しています。
ワインといったら冷やしたものをいただくことが多いのですが、今の季節などにはぴったりな飲み物。
スパイス控え目なものを是非三舟シェフに作って欲しい!
最近新刊が発売され、シリーズは3作になりました。
次の2作目がこのヴァン・ショーの名を宿しているのです。
『ヴァン・ショーをあなたに』。
一体“あなた”とは誰のことなのか?
読んだのは大分前のことなので、次はこのシリーズの再読もしたくなります。
うーん、キリコちゃんシリーズの最終巻もまだなのに。
今年も近藤史恵さんの作品から目が離せませんw


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