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下鴨アンティーク 雪花の約束(白川 紺子)



「おまえはもう、ひとりでちゃんと考えて、何でもできるんだよな。俺や良鷹の助けがなくても」
しみじみとした慧の口調に、鹿乃はすこしのあいだ、考えてから口を開く。
「……ひとりでできるようになる、ていうのと、手助けがいらん、ていうのは、まったくべつのことやと思う」


京都、下鴨――。
ある日、野々宮家を、見知らぬ男性が訪ねてきた。知人の女性を探しているという。
聞けば、その女性の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたそうだ。
鹿乃が蔵から取り出したその着物には、斜めに横切るように鮮やかな赤い糸が描かれていた。
ところが、まばたきする間に、その糸は切れてしまい……?
古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。



今月には新刊が発売する、『下鴨アンティーク』。
気になるところで終わってしまったので、復習も兼ねて再読です。
物語もいよいよ大詰め…?

今回は始終、慧さんと鹿乃がぎくしゃくしています。
というか、一方的に慧さんが色々考えて意識し過ぎてしまっている感じ。
しかし、そこはある意味仕方のないことなのかなあ…という気もします。
やっぱり相手が十代の女の子ですからね。
同じ十代でも、高校生か大学生(もしくは高校卒業以後)ってなんか世間でもすごい違いを持って受け取るような…。
高校を卒業した以降は自己責任、みたいな。
などと最近の報道を見て思うのですが、私もそういう風に考えているかも。。。

ということで、慧さんはあと一年我慢かな(笑)
私たち読者は慧さんの気持ちはもちろん、鹿乃の気持ちなんてそれこそずっと前から分かっているわけで。
慧さんが自分の気持ちを持て余してぐるぐるしていても、「そんなの大丈夫だから!」って思っちゃいますけど、本人からしたら…ねえ。
むしろそこで自分を律するところが、慧さんの良いところなんだろうなあ。

慧さんとは逆に積極的に鹿乃にアプローチできるのが春野さん。。。
うん、以前から言うように私、彼が苦手なので…(笑)
どうしても彼ががんがんいくと、慧さんがんばってーーって思ってしまいます(笑)
今回も喫茶店で待ち伏せに、お茶会画策…とか、文字にするとなんか怖いな…。

二人の違いについて一番顕著に分かるのが、鹿乃のお兄さん・良鷹さんの態度かな。
今回の話でも、鹿乃のことをやっぱり大切に想っているのが伝わる良鷹さん。
風邪をひいた鹿乃の様子を何度も見に行ったり、はちみつミルクを作ってあげたり蔵の着物を出したり。
この巻のお話、実は最後に収録された「子犬と魔女のワルツ」は番外編。
鹿乃幼少期・良鷹さんが高校生の時のお話です。
おふじさんと健次郎さんもご健在。
お父さん・お母さんは既に鬼籍ですが、四人仲睦まじく暮らす姿は貴重ですね。
仲よくやっていて、これはこれで彼らにとって幸せだった時期なんだろうなあ…。
その中でも良鷹さんは鹿乃を甲斐甲斐しくお世話しています。
彼女だった女の子に
「妹と彼女とどっちが大事なの」
って聞かれて、「妹」と答えてフラレちゃうくらい。
まあ、聞く子も聞く子ですけどね。
きっとこの子のお家は両親健在で何不自由なく暮らしている子なんだろうな。
高校生で相手の家庭環境思い遣れって、なかなか出来る事じゃないので、これはこれで分からないこの子の事を責められないです。
さて、件のアプローチした彼女、良鷹の問いにその後どんな返答をしたのでしょうか。
とはいえ、十数年後の現在の良鷹さんを見るに、きっと最初はそれでもいいって答えてお付き合いが始まるも、段々その状況に不満をもってそう長くは続かなかったなじゃなかろうかと推測。

で、話を戻しますと、それだけ実は鹿乃を大事に思っている良鷹さんなのですが、慧さんに関しては全く何も言わないんですよね。
多分、というより絶対、慧さんの気持ちに気付いていると思うのですが。
今までに釘をさしたりするシーンも殆どなかったような…。この辺りはうろ覚えなのですが。
なので、時期的なものはあるかもしれませんが、良鷹さん的にはNGじゃないんだろうなあ…と思っています。
逆に春野さんはNG(笑)
「たらしの類いや」って言ったり、鹿乃が家に行くのも良しとしていない雰囲気です。
多分、良鷹さんは鹿乃の気持ちにも気づいているだろうから、そこの心配はあまりしていないと思うんです。
まあ流石に一人で相手の家に行ったりしたことを知ったら怒るでしょうけど(笑)

そんな二人にとうとう変化の時が。
鹿乃が想いを口にしてしまいました!
「わたし、慧ちゃんが好きや」
と…。
対する慧さんは、凍りついたように動けなくなった…。
これ、女の子に告白されたリアクションじゃないですよねえ…。
まあその直前まで、「今まで通り」を心掛けていた慧さんですから。
しかしこうもはっきり言われてしまっては、もうそれは通じない。
今月発売の続きでも、ぎくしゃくした慧さんから始まりそう…。

今回出てきた着物、そしてその着物にまつわる人の想いは読み応えがありました。
婚約破棄された女性、幼い頃に母親に置いていかれた女性、そして雪の研究者。
特に家族にまつわる思いを抱えた女性は、慧さんの状況にもリンクしてしまうので大事に描かれています。
何度も読み返したくなるお気に入りの作品です。

表紙が今回も素敵!
赤いお花に雪の結晶。
そして赤い糸で遊ぶのは、水滴の斑雪。
犬なのですが、この表情がまた憎めない!(笑)
何か企んでいそう…w

個人的にこの巻で好きなシーンは、「子犬と魔女のワルツ」から。
幼い鹿乃が「わたし、おにいちゃんのおよめさんになるん」と告げられて思わず「はっ?」と目を丸くする良鷹さん(笑)
高校生の時分だからか、やけに素直な反応で可愛らしくて。
良鷹さんにもこんな頃があったのだなあ…と、ほのぼのするシーンでしたw


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